記事引用: Yahoo!Japanニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181125-00010000-agrinews-pol
政府は、ドローン(小型無人飛行機)を農業利用する際に必要な機体や操縦者の認定手続きを国土交通省に一元化する。航空防除について定める農水省の指針などに基づき、農林水産航空協会を通じた認定手続きが生産現場に定着しているが、自動操縦機能などを備えた最新型ドローンの認定に対応できないなどの課題が指摘されていた。高性能ドローンの普及を促し、農家の生産性の向上につなげる。2019年度上期までに実施する。
ドローンを農薬散布に使う際、メーカーは機体の性能について、農家ら操縦者は技能について、それぞれ航空法に基づく認定を受ける必要がある。同協会は、農水省が航空防除時の航行や農薬安全について定める技術指導指針などに基づき、機体と操縦者の認定事業を担い、国交省に代行申請している。国交省が機体を直接認定し、操縦者も民間の教習組織が認定する手続きもあるが、農業関係者には同協会の認定が浸透している。
一方、技術指導指針は産業用無人ヘリコプターによる農薬散布向けに作られている。指針を前提とする同協会は、高精度の航行につながる自動操縦機能やカメラ機能などを搭載した最新型ドローンの認定体制が整っていない。無人ヘリを前提にした認定のため、ドローンのメーカーから「必要以上に細かい項目まで審査される」といった不満が出ていた。
生産現場が円滑に国交省の手続きに移行できるよう、同協会による認定は来年度上期までは続け、来年の営農分のドローン利用は同協会による認定で対応できるようにする。併せてドローンのメーカーなどに、農家が認定を受ける際の国交省への必要書類提出など代行申請をするよう農水省が働き掛ける。同協会は、無人ヘリに関する認定事業は従来通り続ける。
農水省はまた、今年度中に国交省と連携し、ドローンの操縦者の他に配置が求められる補助者について、一定条件を満たせば配置を不要にするなどの規制緩和も進める。ドローン散布に向く農薬の確保にも取り組む。既存の農薬を高濃度にして散布できるよう、農薬メーカーが国の登録を受け直す際の必要な手続きも簡素化する。